思春期の月経困難症|日野市新井|内科・小児科・循環器内科・腎臓内科|青和クリニック

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思春期の月経困難症

思春期の月経困難症|日野市新井|内科・小児科・循環器内科・腎臓内科|青和クリニック

※大人の女性の月経の悩みは様々な疾患の可能性がありますので、まずは産婦人科を受診してください。
当院は内科・小児科としての立場から「思春期の月経」のお話をさせていただきます。

思春期を迎えた娘さんは、生理痛で悩んでいませんか?

思春期の月経困難症01

初潮を迎える年齢は10歳から15歳くらいと言われています。
個人差はありますが平均12歳ころです。初潮から3年程度は、生理周期や期間、経血量が不安定になりやすいのが特徴です。これは卵巣や子宮が未成熟で、ホルモンバランスもまだ整っていないためです。
初潮がきてから1ヶ月経つのに次の生理が来ない、逆に月に2回生理が来るといったこともしばしば起こります。
生理が1〜2日で終わってしまうこともあれば、1週間くらい続く場合もあるでしょう。
経血量も少なかったり、多かったりと波があります。

スポーツ庁の調査によると、中高生女子の役7割が生理痛(月経痛)の悩みを持っており、月経前症候群(PMS)や月経過多と比較して、月経痛による栄養が大きいことがわかります。月経関連症状なしと答えたお子さんの割合はわずか20%だったそうです。実際、月経痛が強くなるほど学業への集中力やスポーツへの影響が大きくなっていることが報告されています。

思春期の生理痛の原因

日常生活に支障が出るほどの強い生理痛がたびたび起こっている場合、「月経困難症」であると考えられます。月経困難症は、下腹部の痛みのほかにも頭痛や肩こり、腰のだるさ、生理前のイライラなど様々な症状を引き起こします。
月経困難症は思春期のお子様の場合、子宮が未成熟であることや痛みの原因となるプロスタグランジンという物質が多く分泌されることによって起こる場合がほとんどです。

思春期の生理痛にどう対応するか

思春期の月経困難症02

我慢したからといって何もいいことはありません。

鎮痛剤を使用する

まずは、痛み止めの上手な使い方があります。すごく痛くなってから痛み止めを飲むと、実はあまり痛みは取れません。子宮内で痛みの原因物質であるプロスタグランジンがまだ少ししかない間に痛み止めをのむと、比較的痛みをコントロールしやすくなります。自分の体調は、生理の時にいつもどうだろう?と思いだすと、「何日目が一番痛いのか」「いつまで痛いのか」を振り返ってみるとその特徴に気が付くかもしれません。

漢方薬を使ってみる

生理痛は体が冷えると悪化することが多く、温めると良くなる傾向があります。
漢方薬は飲んだことがないというお子さんも、試してみる価値はあります。

低用量ピルを使ってみる

痛み止めだけではつらい場合、低用量ピルを飲むという方法があります。低用量ピルを飲んで、数か月は不正出血があることもありますが、徐々に経血量も減少し生理が軽くなることがほとんどです。まだ子供にピルを飲ませることに抵抗がある保護者の方もいらっしゃいますが、これによって将来不妊になるなどのことはありませんのでご安心ください。むしろ、生理痛が強い場合は将来子宮内膜症にかかりやすくなるといわれています。
子宮内膜症とは、子宮内膜が子宮以外の場所に増殖してしまう病気です。その結果、炎症や周囲組織との癒着が起こり、痛みを引き起こします。海外の調査では、思春期に月経困難症をたびたび経験していた人は、なかった人に比べて子宮内膜症に2.6倍なりやすいことがわかっています。

子宮内膜症が進行すると

  • 痛みがひどくなる
  • チョコレート嚢胞が生じる(卵巣にできた子宮内膜症により出血を起こします。その出血がチョコレートのような色であることからその名前がついています)
  • 将来不妊の原因になることがある
  • ガン化することがある

月経に関するつらい症状は、自然に治ることを期待して放置してしまうと、かえって悪化し、妊娠しづらくなる原因になることもあります。さらに、痛みや不調が続くことで日常生活に支障をきたし、心身の健康や生活の質(QOL)を下げてしまうことも少なくありません。月経は女性の健康状態を映す鏡ともいわれます。月経の悩みは決して特別なものではなく、誰もが抱える可能性があるものです。

お母さんも月経に関する悩みは、ご自身の経験からある程度理解していただけるのではないでしょうか?

1か月は通常約4週間あります。女性にとって

  • 生理前のなんとも不調な、便秘や眠気、むくみの強い月経前までの黄体後期
  • 月経による痛みと出血と付き合う月経期
  • やっと終わって、眠気なく便秘も解消されすっきりした卵胞期
  • 排卵が起きて少し腹痛なんかも出始めたかな?という排卵後の黄体前期

極端に考えると、女性がすごく調子の良い1週間は4週のうちたった1週間ということになります。気にし始めたらきりがないですし、もちろん体調不良の自覚には個人差もあります。でも、毎日学校に行き部活も勉強も頑張っています。
お子さんたちのために、まず私たち大人は体調不良があったときに相談しやすい環境を作ってあげましょう。
よき理解者がいるという安心感は、症状改善にも良い影響を与えます。

よくあるご質問

中学生や高校生で低用量ピルを服用しても大丈夫でしょうか?

WHOの規定によると、初経があれば使用できるとされています。
また、国際家族計画連盟によると初経後3ヶ月が経っていれば安全に使用できるとされています。

若いうちから低用量ピルを服用した場合、服用をやめた後に生理は元に戻りますか?

服用終了後3ヶ月以内にほとんどの患者さんで月経が回復します。

若いうちから低用量ピルを服用した場合、将来の妊娠に影響を及ぼしませんか?

お薬を飲んでいる間は排卵が抑えられているので妊娠はできませんが、飲むのをやめると元の状態に戻ります。
低用量ピルを飲むことで、将来妊娠できなくなるということはありません。

内診の必要はありませんか?

当院は婦人科ではありませんので、内診は行いません。あまりにも腹痛が強い場合には腹部エコー検査をご案内する場合はあります。女性の検査技師の日をご案内することもできます。また通常産婦人科でも、お子さんに内診をすることはありません。

月経に伴う体調不良は、もちろん個人差があります。
しかし、このようなホルモンの変化による体調の変化がありながら、勉強や部活を頑張っているお子さんたちに少しでも力になってあげたいと常々私は思っています。
お子さんたちの輝く将来のためにも、適切な治療を受けさせてあげることは大切です。
もちろん、最初から婦人科の先生に相談できれば素晴らしいです。
でも行く時間がない、受診は抵抗が・・・という場合、当院でもご相談できます。