
まだまだ流行している「伝染性紅斑、いわゆるりんご病」についてです。
頬が赤くなり、特徴的な発疹から「ほっぺがりんごのよう」と呼ばれます。
この顔の赤みは「蝶形紅斑」とも呼ばれ、顔に蝶々がとまったような形に赤くなるのが特徴です。
蝶形紅斑は、伝染性紅斑に特徴的なわけではなく膠原病の全身性エリテマトーデスでも同じような症状が見られることがあります。
そしてこの皮膚症状(紅斑)は「頬にだけ出る」のではなく、腹部や手足にも出ます。
よくあるのが、「日中外で遊んでいたら手足に蕁麻疹がでました。りんご病は先週かかったばかりで、もうなおっています。」というケース。
あるいは「この前かかったばかりなのに、またりんご病に感染してしまったのでしょうか?」というご質問を受けます。
まず、蕁麻疹と紅斑は見た目で区別できます。蕁麻疹は「膨疹」といってでこぼこした蚊に刺されのようになります。
一方で紅斑はでこぼこしませんので、鑑別は比較的簡単です。
伝染性紅斑の皮膚症状は、症状が一度落ち着いたあと、数日〜1週間ほど経ってから再び発疹が強くなることがあります。
私が外来で経験したケースでは、1か月後くらいにまた赤くなった!という方もいらっしゃいましたので、忘れたころにまた赤みが出ることもあるよとお話しています。
これは「再感染」ではなく、すでに体内にあるウイルスに対する免疫反応が一時的に強まるための「再燃」といいます。
再燃のきっかけとしては、
◎強い日差しや発熱
◎激しい運動
◎入浴や温泉
◎ストレスや疲労とむくみ
などが知られています。
再燃時も重症化することはほとんどなく、自然におさまることが多いです。「りんご病とむくみ」については以前もコラムでご紹介させていただきました。むくみや関節痛などは皮膚症状の再燃に伴って悪化する傾向はないようです。一度赤みが引いても、皮膚症状が「再燃しやすい」という特徴もぜひ覚えておいてください。