
「夜寝ていたら金縛りにあった。全然体が動かないのに、目は覚めている。すごい怖かった!!」という経験ありますか?
なんだか悪霊にたたられているようで、怖いですよね。
怪談のような話ですが、実はそれは病気かもしれません。
おそらくこの「かなしばり」は医学的には「周期性四肢麻痺」が一番近いと思われます。
”周期的、発作的に四肢・体幹の筋肉は緩んで麻痺を生じる原因不明の疾患”と定義されています。
しかし、「原因不明」と言いながら一部では電解質の「カリウム値の低下との関連」が考えられています。
<低カリウム性周期性四肢麻痺 >
・思春期の男性に多い。
・遺伝的にカリウムが低い体質
・甲状腺機能亢進症(とくに東洋人男性)
・原発性アルドステロン症、尿細管性アシドーシス、バーター症候群など
麻痺の症状は両下肢から始まり、徐々に体、上肢へと広がります。意識ははっきりしており、感覚障害もありません。
上記に挙げた疾患の中でも、比較的多いのが「甲状腺機能亢進症に伴う周期性四肢麻痺」。
つぎにその特徴です。
◎甲状腺機能亢進症はもともと女性に多い疾患ですが、周期性四肢麻痺をきたすのは甲状腺機能亢進症の男性の方が多い。
◎発作の誘因として、過労、過食、飲酒など
◎血清カリウム値の低下
◎症状は手足の体幹に近い筋肉(四肢近位筋)に強い症状がでる。眼筋・顔筋・呼吸器筋・肛門括約筋はマヒを起こさない。
「かなしばりがあったから、病院に行ってみよう」という発想もありなのです。ぜひご相談ください。