2026年6月11日

健康診断における脂質の項目で「LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪」をよく見かけますね。
そして、LDLコレステロールは悪玉、HDLコレステロールは善玉というように説明されるのではないでしょうか。私もそのように説明はしています。
しかし、本当はコレステロールそのものには善悪はありません。コレステロールは脂質の一つで、細胞膜の構成成分やステロイドホルモンなどの原料になる体に大切な脂質の一つです。脂質は「リポ蛋白」というたんぱく質に含まれて血液中で運搬されます。この時、リポ蛋白には低比重リポ蛋白(LDL)、高比重リポ蛋白(HDL)などがあり、それぞれのリポ蛋白の量が血液検査でLDLコレステロール濃度、HDLコレステロール濃度として測定されており、リポ蛋白に包まれている中身は同じコレステロールになります。
多くの疫学調査で、LDLコレステロールが高い場合には心疾患による死亡や心筋梗塞などの動脈硬化性疾患が増加し、「悪い」。逆に、HDLコレステロールが低い場合には、動脈硬化性疾患が増加する、すなわち、「高いことが善い」ことからニックネームのように使われています。
しかし実際、HDLコレステロールがとても高い場合(80-100mg/dl)、つまり善玉がいっぱいある場合でも、結局はコレステロールが高いことには変わりなく、動脈硬化は増えてしまいます。生活習慣の改善として、運動や食事療法、禁煙、肥満解消は必要になります。
HDLコレステロールが高いから動脈硬化にならないということはありません。健診などで指摘された場合でも、一度は頸動脈エコーなどで動脈硬化の状態を評価することをお勧めします。




